「建設業許可を失わないために!社長の高齢化リスクと今すぐできる3つの対策|越谷市の行政書士が解説」

埼玉県内、特に当事務所がある越谷市周辺には、高度経済成長期から長年地域を支えてこられた建設業者が数多くいらっしゃいます。地域のインフラや住まいを守る皆様の存在は不可欠ですが、今、業界全体で直面しているのが「経営者の高齢化」という課題です。

日々現場や経営に奔走されている中で、「もし自分に万が一のことがあったら、この会社の許可はどうなるのか?」と考えたことはありませんでしょうか。建設業許可は、一度失うと再取得が非常に困難です。

今回は、越谷市の行政書士として、高齢化に伴う許可取り消しのリスクと、今から取り組むべき具体的な対策について解説します。

目次

高齢化が引き起こす「建設業許可の取り消し」リスクとは

建設業法には、許可を維持するために「欠格要件(けっかくようけん)」という厳しいルールが定められています。高齢化に伴い、特に注意が必要なのが「心身の故障」によるリスクです。

精神上の障害と欠格要件

以前は「成年被後見人または被保佐人は一律欠格」とされていましたが、令和元年の法改正により、現在は「精神上の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」が欠格要件として定義されています。

つまり、認知症の進行などによって経営判断が困難であると判断され、成年後見制度を利用することになった場合など、その役員が在任している限り、会社全体の建設業許可が取り消されてしまうのです。

「代表取締役=唯一の責任者」という体制の危うさ

越谷市の事業者様でも多いのが、社長お一人が以下の3つの役割をすべて兼ねているケースです。

  1. 代表取締役
  2. 経営業務の管理責任者(通称:経管。経営の経験を証明する人)
  3. 専任技術者(通称:専技。技術上の責任者)

この体制は効率的ですが、社長が病気や怪我、あるいは認知症等で判断能力を喪失した瞬間、これらすべての要件が一気に崩れます。後継者が育っていない状態でこの事態に陥ると、許可は維持できず、進行中の現場もストップせざるを得ないという最悪の事態になりかねません。

「経営業務の管理責任者(経管)」に関する対策

建設業許可を維持する最大の壁となるのが、この「経管」の要件です。現在は制度改正により「経営管理態勢」として少し柔軟になりましたが、依然として「5年以上の経営経験」を証明することは容易ではありません。

対策:後継者を早期に「役員」へ登記する

対策として最も有効なのは、後継者(ご子息や長年貢献している従業員)を、早いうちに「取締役」として登記しておくことです。

なぜ早期なのか

経管として認められるには、原則として「5年以上の役員経験」が必要です。社長が勇退したいと思った時に、後継者の役員歴が1、2年しかなければ、その時点で許可は途切れてしまいます。

実務上のポイント

必ずしも代表権を持つ必要はありません。平の取締役であっても、経営に参画している実績(登記簿謄本での証明)があれば、将来の経管候補としてカウントされます。

対策:常勤の役員を複数体制にする

社長以外にも経管の要件を満たす役員がいれば、もし社長が欠格要件に該当しても、その役員を速やかに経管に据え替えることで、許可の取り消しを免れることができます。

「専任技術者(専技)」に関する対策

専任技術者は、その営業所に「常勤」し、専門的な知識を持って業務を統括する役割です。
※現在は「営業所技術者等」と呼ばれますが、分かりやすい「専任技術者(専技)」としています

対策:資格取得の推奨と実務経験の蓄積

社長が1級・2級の国家資格をお持ちで専技になっている場合、社長の引退=技術者の不在を意味します。これを防ぐには、以下の準備が必要です。

若手・中堅への資格取得支援

試験合格は一朝一夕にはいきませんが、合格した瞬間から専技の候補になれます。
単に建設業許可のためだけではなく、自社の施工能力、現場管理能力の向上にもつながります。

実務経験の証明(指定学科卒業者の活用)

土木や建築の指定学科を卒業している従業員がいれば、資格がなくても「卒業+5年(または3年)の実務経験」で専技になれる可能性があります。この「実務経験の証明」には、過去の契約書や注文書の管理が不可欠ですので、当時の通帳と合わせて書類を整理しておくことが重要です。

万が一に備える「任意後見制度」の活用

法的な対策として、近年注目されているのが「任意後見制度」です。 これは、まだ判断能力がしっかりしているうちに、将来もし自分の判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ信頼できる人(後継者など)に自分の代わりに事務を行ってもらう契約を結んでおくものです。

これを活用することで、財産管理や契約の継続をスムーズに行い、会社経営の空白期間を作らない準備ができます。ただし、前述の通り「後見が開始」されれば許可の欠格要件との兼ね合いが出てくるため、制度利用のタイミングについては専門家と綿密な打ち合わせが必要です。

行政書士としてお伝えしたいこと

「自分はまだ元気だから大丈夫」「あと5年は現役でいられる」そういった社長の活力が建設業界を支える源ですが、法的手続きの世界では「5年」はあっという間です。特に建設業許可の承継(事業承継)には、数年前からの計画的な準備が欠かせません。

もし、不測の事態で許可が取り消されてしまったら……。

  • 500万円以上の工事が請け負えなくなる。
  • 元請け企業からの指名が止まる。
  • 金融機関からの融資に影響が出る。
  • 従業員の雇用が守れなくなる。

このような事態を避けることは、経営者としての最後の、そして最大の責任と言えるかもしれません。

越谷市周辺の建設業経営者様へ。一緒に今後を考えていきましょう!

当事務所では、建設業許可の更新手続きだけでなく、数年先を見据えた「許可の状態確認」を実施しています。

  • 「経営業務の管理責任者となれる候補者はいるか」
  • 「今の書類管理で、専技となる者の実務経験は証明できるか?」
  • 「自社の工事種類で取得を奨励すべき資格は何か」

時には耳障りの悪いこともお伝えしなければならないこともあります。
しかし、会社や従業員の皆様、引いては取引先様や地域のためにもしっかり検討を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

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