大きな工事を請けたいが、許可の要件が厳しくて……」と、二の足を踏んでいる経営者様は多いと思います。特に「500万円の資金要件」や「10年の実務経験」は、数字や年数だけを見ると高く見えます。

しかし、建設業許可は「今の状態」をどう定義し、どう証明するかが大事です。
今回は、ハードルを乗り越えるための具体的なヒントをお伝えします。
「自己資本500万円」が足りない時の現実的な対処法
一般許可には「500万円以上の自己資本または「500万円以上の資金調達能力」が必要です。もし、確定した決算書で自己資本が500万円を切っていても、許可取得の可能性は残っています。
① 「残高証明書」による資金調達能力の証明
確定した決算書の数字(純資産)を後から書き換えることはできません。しかし、建設業法では「自己資本が足りないなら、今現在の調達能力を見せれば良い」というルールがあります。
- 解決策: 申請直前に銀行口座で500万円以上の残高を確保し、「残高証明書」を取得します。これにより、決算書の状態に関わらず財務要件をクリアすることが可能となることがあります。
調達方法は様々ですが、代表者個人からの借り入れでも対応できます。
② 「流動比率」を整え、財務の健全性をアピールする
特定許可を目指す場合や、将来的な経審を見据える場合、流動比率(短期的な支払い能力)は重要です。ここでは科目の組み替えが活きます。
- 組み替えの例: 短期借入金として一括計上されているものの中に、1年を超えて返済する分があれば、建設業法の財務諸表では「長期借入金」へ振り替えます。
- 効果: 純資産の額は変わりませんが、「流動比率」が改善され、対外的に「支払い能力に問題のない健全な会社」であることを法的に正しく証明できます。
【ヒトの壁】「資格なし・10年の実務経験」をどう証明するか
営業所技術者等(旧:専任技術者)の要件で最も高いハードルが「10年の実務経験」です。
「証拠」の掘り起こし
「10年前の注文書なんて残っていない」という場合でも、以下の合わせ技で立証を試みます。
- 実務上の工夫: 確定申告書の控え(表紙)に加え、当時の入金が確認できる「通帳の写し」や、元請業者の協力による「実務経験証明書」を丁寧にパズルのように組み合わせます。バラバラの書類を「10年間の継続した経験」という証明方法としてまとめ上げます。
なぜ「行政書士」に相談すると道が開けるのか
建設業許可の審査は「書面主義」です。どんなに優れた技術や経験があっても、書類で証明できなければ「存在しない」ものとみなされます。
- 「最適なルート」の選定: 「純資産で勝負するか、残高証明書でいくか」など、現在の状況から最短・最確実なルートを判断します。
- 法的に正しい「翻訳」: 税理士先生が作成した決算書を、建設業法のルールに基づいた勘定科目に正しく「翻訳」し、審査官に疑義を持たせない財務諸表を作成します。
- 自治体の「審査傾向」の把握: 証明書類としてどこまで認められるかは、実は自治体によって細かな差があります。その「さじ加減」を知っていることが、不許可リスクを避ける鍵となります。
可能性をチェックする「3つの持ち物リスト」
「相談しても無理だと言われるのが嫌だ」と悩む前に、まずは以下の3つをお手元にご用意ください。これらがあるだけで、許可取得の可能性を見つけることができる可能性があります。
①直近の決算書(確定申告書の控え一式)
- 純資産の確認と、残高証明書ルートの要否、負債の組み替え可否を判断します。
②代表者・技術者候補の「卒業証書」や「資格証」
- 実務経験の期間を大幅に短縮できる「指定学科」に該当するかを確認します。
③過去の「通帳」や「工事の請求書・領収書」
- 10年の実務経験を証明するための「証拠」がどの程度残っているかを精査します。
まとめ
一般許可を取得すれば、500万円以上の工事が請けられるだけでなく、元請業者や金融機関からの信頼が格段に高まります。「決算書の内容が悪いから」と諦める前に、まずは一度ご相談ください。
現状から「許可の可能性」を一緒に探しましょう。
公式LINEはこちらからお友達登録をお願いします。

埼玉県の建設業許可の手引はこちら
